唯一無二の自然環境を守るために、あなたの提案を実現化してください。
神の棲む島と言われ、古い歴史をもつ竹生島。島周辺の水深は琵琶湖で最も深い約100mの湖底から、最高標高約200mまでそびえ立つ300m級の「湖底の塔」のような地形であり、島の周辺からは湖底遺跡が発掘される等、世界でも類がないコンテクストをもつ島です。今回は、現在竹生島や琵琶湖周辺が抱える自然環境問題の解決に対する提案を募り、琵琶湖の自然環境をサスティナブルなものにしていくアイデアの実現化を試みます。

滋賀県と竹生島
竹生島は、琵琶湖の北部に位置する面積0.15km²、周囲2km の島である。西国三十三箇所の霊場として中世から多くの信仰を集め、神の棲む島とも言われる。現在もその信仰は続き、多くの観光客や巡礼者が訪れている。琵琶湖八景のひとつにも数えられている。


歴史・特性
弁財天霊場として知られる宝厳寺は、竹生島巌金山と号し、真言宗豊山派に属する。本尊は弁財天と千手観音である。竹生島は、安岐の厳島、鎌倉の江ノ島とならび、弁財天三霊場の一として全国的に著聞であり、島内には浅井姫命を祀る都久夫須麻神社と神宮寺宝厳寺の仏堂として三重塔、弁財天堂、千手千眼観音を安置する観音堂などが建つ。古来より浅井姫命が鎮座し、湖上を往来する船の安全航行を願って尊崇されていた。


竹生島の課題
世間から隔絶され、1,000 年以上前から脈々と受け継がれてきた竹生島の文化・景観が現在、カワウの獣害によって失われつつある。また、現在の竹生島のエネルギー供給は、外部からの軽油によるディーゼル発電によってまかなわれているが、文化財の維持管理、防犯・防災のために定常的な電力が必要とされている。


カワウの問題
カワウによる被害は、糞による樹木の枯死とともに、土砂にも被害が出てきている状況であり、現在の竹生島に関してもっとも切迫した問題であることは間違いない。、平成19 年度滋賀県の調査報告では「樹木の枯死による竹生島の土砂流出の防止や植生の復元が喫緊の課題であることから、これらについて早急に対応策を検討する。」としている。カワウの移動範囲が広範囲であることからも、県域を越えたネットワークと、「アダブティブ・マネジメント(順応的管理)」の導入が必要とされている。つまり、「獣害で指摘されたのと同様に、カワウ問題の解決のためにも、関係者間の連携や解決のための担い手を育てることが大切である。限られた予算を、見通しのない駆除費にあててよしとするのではなく、地域の力を育てていくために効果的に使う必要がある」と述べられている。カワウ問題に関心を持つ層を広げる中で、さまざまな力を集結することが重要である。

※参考文献「竹生島の支援方策について」近藤隆二郎(滋賀県立大学環境科学部 准教授)



竹生島の空中写真(1975年)


竹生島祭礼図(部分)


カワウによる森林被害


定期船発着場所


入口からの風景


都久夫須麻神社本殿


宝厳寺本堂(弁才天堂)


宝厳寺唐門(国宝)


観音堂舟廊下(重文)